「供給不足」が住宅価格を押し上げ
――中国で考えられているのと異なり、日本の同時の不動産バブルは円高によって引き起こされたものではなく、人民元の切り上げが不動産バブルを助長することはない、ということですが、その主な原因はどこにあるのでしょう。
伊藤 中国は人民元の大幅な上昇を望んでいないため、利子を非常に低くしており、これは日本でもかつてあったことです。この点で、日中両国は比較的似かよっており、当時の日本政府も円高を望まなかったため、銀行の利子を非常に低く設定し、ほとんどゼロの期間もありました。
利子と為替レート、不動産、この三者を結びつけて論じるのは賛成しません。円高が当時の日本の不動産バブル、そして崩壊をもたらしたわけではないのです。
今しがた提起された問題に戻りましょう。崩壊を防ぐには、または不動産バブルだと言うには、より多くの住宅を提供することが必要です。現在の住宅価格が高いからといって、住宅の提供を抑える、または不動産市場が安定してから住宅を提供する、ということもできません。より多くの住宅を提供してこそ、不動産業界の不正常な、過度な価格の上昇を防ぐことができるのではと考えています。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月21日