国家にとって経済発展パターンの転換とは経済発展戦略の転換を意味する。一方、企業にとってのそれは核心的な競争方式を転換することであり、さらに踏み込んで考えれば企業理念の転換を意味する。
吉利はここ数年、戦略的転換を進め、一定の成果を上げてきた。これは私たちの国際化の視野および戦略と切り離せないものである。
吉利はなぜボルボを買収する必要があったのか。グローバル化を背景とする中国企業は、世界における中国企業のイメージや地位、競争力を把握しなければならない。中国の自動車メーカーがいま抱えている課題を解決するには、20年以上かかると私は見ている。
例えば自動車ブランドの問題。中国の自動車ブランドは20年前のアパレル・ブランドと大差ない。品質は向上したが、人々に認知されていない。成金には一夜にしてなれるが貴族にはなれないのと同様で、ブランドの認知度も一瞬にして築き上げることはできない。
ではどうすればいいのか。解決の道は20年から30年の時間を費やして地道に蓄積するか、世界で認められている成熟した企業やブランドを買収するかのどちらかである。