政府:社会保障制度改革は中道右寄りの立場で実行する
現在、欧州の多くの国で右翼政党が政権を握っている。彼らは選挙で改革をアピールしているが、現実には、これらのアピールが本当に実施されるには大きな困難が立ちはだかっている。言い換えれば、社会保障制度改革は、中道からほんのわずか右寄りの立場で実施するだけであり、根本から変えてしまえる人はいない。
ストックホルム経済大学のクレーメル教授によると、社会保障制度の核心は医療保障や老後の所得保障である。この2つに改革のメスを入れない限り、社会保障制度を根本から覆すようなことはありえない。現在の欧州各国の実情を見ると、確かに、どの国の政府もこの2つの制度に改革のメスを入れようとはしていない。
クレーメル教授はスウェーデンを例に挙げ、以下のように述べている:スウェーデンの右派政党は社会保障制度の改革を主張している。だが、選挙の公約として挙げたからといって、根本から大きく変わる制度の大改革を行うという意味ではない。経済に悪い影響を及ぼす部分を改変していこうというものでしかない。だが、右派政党が政権を握ってからも、所得税率を少し引き下げ、失業者の求職を奨励するために、失業保険計画の一部をわずかに変えただけである。医療保障および老後の所得保障に関しては、その保障水準を引き下げないばかりか、なんらかの措置を講じて、これらの方面の保障水準を高めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月22日