▽市場開拓には陣地の死守が大切
中国汽車(自動車)工業協会が9日に発表した上半期の生産・販売データによると、今年1-6月に国内自動車メーカーの総生産台数は890万台、総販売台数は900万台に上り、中でも独自ブランド車は全面的に成長するという勢いをみせた。だが中国質量(品質)協会ユーザー委員会が発表した第2四半期(4-6月)の中国車の品質・サービスに関する苦情分析報告によると、独自ブランド車の苦情率は20%を超え、増加傾向が明らかだという。
好調さを示すデータと問題を示すデータとから、独自ブランド車が置かれている現実的な位置がうかがえる。長年の発展を経て、独自ブランドは国内市場で足場を固めた。中でも吉利や北京汽車の海外での合併買収(M&A)は多くの人に独自ブランドに対する大きな期待を抱かせた。だが独自ブランド車はコア技術の面で先進国ブランドに大きく遅れていることは否定できない。よって独自ブランドの多くは、知名度はあるが評価が常に高くはないという結果になる。
自動車業界関係者の多くがこれと似た見方を示す。現在独自ブランドは上に向かって競争しているが、冷静にながめると、独自ブランドはローエンド分野で優勢であるに過ぎない。この陣地をしっかり守らずに軽率に打って出たとすれば、敵に背後を取られ、発展の好機を失うことになりかねない。このため、現在の独自ブランドにとって変わることのない「法則」は、コア技術の研究開発を加速させ、自主創造の新たなシステムを構築し、自身の実力を全方位的に高めて、低価格で質の高い製品を生み出すことだ。また経営・サービスの面でブランドの評価を迅速に向上させ、合弁ブランドとの競争における優位点を積み増すことが必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月22日