米NYSEユーロネクストはこのほど報告をまとめ、2010年上半期、中国は世界でIPO(新規公開株)が最も活発に行われた国で、米国とブラジルに代わり世界一に躍り出たと発表した。うち、深セン証券取引所の調達額は226億ドルで世界トップ、上海証券取引所は112億ドルで4位だった。
調達額が世界一となったのに比べ、中国の金融情報サービス会社Windinの統計では、中国の大陸A株市場は上半期に「下げ幅世界2位」となった。
この「1位」と「2位」が同時に現れたのには、どのような背景があるのだろうか。
上半期に216社がIPO
2010年上半期は計216社の中国企業がIPOを行い、約348億ドルを調達した。2位と3位にそれぞれ米国(IPO72社、調達額128億ドル)と日本(IPO11社、調達額113億ドル)がつける。昨年の順位は1位米国、2位ブラジル、3位中国だった。
取引所別に見ると、2010年上半期、調達額が世界最大となった中国の深セン証券取引所では161社がIPOを行い、調達額は226億ドルに達した。2位はNYSEユーロネクスト(IPO55社、調達額134億ドル)、3位は東京証券取引所(IPO4社、調達額112億ドル)、4位は中国の上海証券取引所(IPO11社、調達額82億ドル)。米ナスダックはIPO43社、調達額50億ドルで8位。
A株の下げ幅は世界2位
中国金融情報サービス会社Windinの統計によると、今年上半期は世界の株式市場が金融危機、欧州の債務危機、ギリシャの債務危機の影響を受け全面的に下落した。
下げ幅トップはギリシャのASE指数(下げ幅34.6%)、2位は中国の上海総合指数(26.82%)、3位はスペインのIBEX 35指数。
データによると、上海総合指数は今年初めの3277.14ポイントから上半期の最終営業日(6月30日)には2398.37ポイントに878.77ポイント下落した。深セン成分指数は31.48%下落、中小企業ボード指数は10.03%下落した。
ギリシャとスペインの下落の原因が債務危機の影響によるものだとはっきりしていれば、中国のA株の下落は理に適っていないと言える。国家統計局の統計によると、中国の上半期のGDPは前年同期比11.1%伸び、全国の一定規模以上の工業企業(国有企業または年売上高500万元以上の非国有企業)の利益は1兆5397億元で同81.6%増加している。
GDPと企業の利益は2ケタ増となっているのに、株式市場は大幅に下落するというのは、A株はどうなっているのだろうか。