IPOは身代わり?
「資金需給の角度から見ると、IPOが株式市場の動きを変えることを示すデータはない。逆に、IPOが株式市場の動きを維持し、強めるデータは多くある」と、興業証券の李彦霖アナリストは話す。
李彦霖氏によると、A株はこれまでに下げ幅が30%を超えることが6回あったが、IPOが原因で暴落したことはないという。
本質的に、株式市場の騰落は主に基本要因で決まる。しかし金融危機のときは特殊で、世界の経済は後退し、株式市場は弱気相場の状態が続く。新株の発行がなくても、資金が市場から流出する。IPOが資金の流出につながることもない。
李氏は、「今年上半期、株式市場は比較的深い調整に入ったが、IPOのせいにしてはいけない。IPOの再開時(2009年6月19日)、株式市場は上昇し、内在的な調整のニーズがあり、IPOは調整の『身代わり』にすぎない」と語る。
IPOの「吸い上げ」がA株低迷の要因でないとすれば、本当の要因は何か。
国有銀行投資部門のある研究者は、悪いのは「吸い上げ」ではなく、新しい資金が入ってこないことだとし、「現在の市場はすでに非常に弱い状態だが、まだ拡大し続けている。しかもメインボード、中小企業ボード、創業板(新興企業向け市場)が同時に拡大しており、IPO、増資、大型・小型の非流通株の放出など4から5本のパイプラインで吸い上げているため、市場は耐えられない状態だ」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月3日