だが投資市場に絶対的な安全とリスクはない。投資レベルが高いかどうかの違いがあるだけだ。リスクが低ければリターンも望めない。例えば日本の年金基金の大部分は収益率が極めて低い日本国債に投資し、日本の一風変わった刺激政策に貢献しているが、日本の高齢者には何ら利点はない。
投資をするからには損することもあれば儲かることもある。長年利益を出していてもサブプライム問題のような焦げ付きが一旦起きればそれまでの苦労も水の泡となる。サブプライム問題が起きた07年、日本の年金は5兆8400億円の赤字を出した。
日本の年金が赤字を出したのはこの時が初めてではない。01年、02年にも過去最高となる累計損失総額6兆700億円を出している。年金の投資運用を担当する「年金積立金管理運用独立行政法人」は4-6月期の運用結果について、3兆5898億円の赤字と発表、収益率は?2.94%だった。日本の年金は海外投資を増加したことで金融危機の巻き添えになった。これは投資の目のつけどころが甘かったとしか説明できない。ましてや、投資に失敗したことの証明とはならない。
中国の社会保障基金は国内投資において何度も安く買って高く売るのに成功しているが、もちろんこれが市場の常態と化してはならない。中国の社会保障基金、年金基金にはまだ困難は到来していない。中国の資産価値がピークを過ぎれば年金基金は本当の意味での試練に直面することになる。
「人民網日本語版」2010年9月9日