国際通貨基金(IMF)で中国事務を担当するナイジェル・チョーク氏は9日、メディアの取材に応える中で「上海のような大都市から郊外へ100マイルほどドライブすると、都市部とはまったく違う風景が広がっているのを目にする」と述べた。「経済参考報」が伝えた。
実際には100マイルも行く必要はない。筆者は前に欧州から来た友人を連れて、北京市の西二環路から20キロメートルほど走って南五環路へボールゲームをしに行ったことがある。その時友人は、高速道路が徐々にアスファルトの道路に変わり、やがて砂ぼこりの立つ舗装されていない道に変わる様子を目の当たりにして、郊外と北京や上海などの繁華な市街地とではこんなにも様子が違うのかと驚いていた。筆者は友人に「中国はあなたが想像していたほど豊かではないだろう」と言ったものだ。
友人が驚くのも無理はない。彼は中国が初めてで中国のことをよく知らなかったし、彼が欧州で友人から聞いた話や、見聞きした報道は、ほとんどが中国の大都市に関する情報で、特に中国がここ数十年で獲得した巨大な成果についての情報が多かったからだ。西側諸国の多くの人々は、中国は世界2位の経済体であり、世界最大の外貨準備国であるという事実はよく知っているかもしれないが、中国の広大な農村地区についての理解はほとんど無きに等しい。チョーク氏のような訪中回数が20回を超える「中国通」でも、なお驚くことがあるのだ。なんとっても中国は大きく、人口は多く、中国を理解するのは一朝一夕にできることではない。よって中国専門家のチョーク氏は、取材の中で中国に対する見方を述べた時に「状況は千差万別」(heterogeneous)という言葉を用いたのだ。