▽度重なるレートへの関与 日本に声を上げる資格なし
人民元の急速な上昇を求める国をみると、大声を張り上げる欧米諸国に比べて日本はかなりトーンが低い。その原因は中日関係の大局に配慮しているから、というわけではなく、日本自身が今危険な状況に陥っていて余裕がないことにある。
このたびのワシントンでの会議で日本の財務相と中央銀行総裁はかなり気まずい様子だった。日本はG7の間近にレート関与を行い、レート引き下げをはかった唯一の国だったからだ。
進行する円高をくい止めるため、先月15日、日本は6年半ぶりに通貨関与の動きを取り、2兆円を市場に投入した。そして今月5日には中央銀行が突如ゼロ金利政策を実施すると発表した。ある意見によると、日本のこうした動きは、客観的にみて中国のレート操作行為を正当化するのを助けるという。
G7会議の閉会後、日本の野田佳彦財務相は会議で日本の市場関与措置について「明確な説明」を行ったと述べ、日本政府の関与は長期にわたり大規模に行われることはなく、日本円レートを一定の水準に保とうとするものでもないと強調した。ここから日本が為替市場に対する関与と中国に対する言行とを区別していることがわかる。欧米各国は日本の措置について支持も理解もしていないが、批判もしていない。
日本のアナリストによると、欧米が日本の行動を「黙認」した原因は、G7内部が分裂し、一致団結して形成した中国包囲網に影響が出るのをおそれるためだという。
▽円高は進行中 関与はやむなし
だが円高は日本政府の関与でも止まらなかった。8日のニューヨーク外国為替市場では一時1ドル=81.72円をつけて過去15年で最高値となり、1ドル=79.75円の過去最高値に刻一刻と近づいている。
日本円の再び大幅上昇して、日本にとって大きな圧力となり、大きなダメージを与えることを防ぐため、日本国内では、政府と中央銀行が引き続き関与措置を取る必要があるとの見方が多数を占める。だがもう一度為替市場に関与すれば、必ず欧米の反発を引き起こすことになる。
日本は今、日本円を救うか、G7の団結を守るか、二つに一つの難しい選択を迫られている。人民元上昇については、日本は今、欧米の後ろであれこれ叫ぶ意欲もなければ、その力もない。
「人民網日本語版」2010年10月13日