レアアース備蓄システム構築で他国からの制約に対応

レアアース備蓄システム構築で他国からの制約に対応。 中国の高度先進技術は既に国際基準レベルに達し、宇宙飛行、風力発電等の技術は世界のトップレベルにあり、電子工業の発展によるレアアースの需要は益々増加してゆく。統計によれば、中国のレアアースの需要量は、毎年約5万から6万トンで、中国のレアアース採掘量全体の半分を占める…

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発信時間: 2010-10-15 15:32:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国のレアアースの可採埋蔵量は全世界の43%を占め、世界第一位である。しかし、過去10数年間には、中国のレアアース酸化物の価格は1トンあたり数千元、1キロあたり数元程度で、「白菜と同じ値段」とも言われていた。

悔やまれる「白菜と同じ値段」のレアアース

「我々は科学研究成果を生産力に転換することには成功したが、中国のレアアースの優勢を経済の優勢に転換させることはなかった」。中国の“レアアースの父”、中国科学院院士(アカデミー会員)の徐光憲教授は悔やみつつ、そう語る。

中国は1972年にレアアースの多段抽出理論及び新たな加工技術の研究を開始し、現在、レアアースの分離技術は世界を大きくリードし、多くの国々はレアアースの分離を行いたいと思っても、中国の技術を購入するしかない。しかし、埋蔵量と分離技術が最も進んだ中国には、レアアースの価格決定権がない。密輸、外国による買い溜め、国内採掘権の混乱などが、中国のレアアース価格決定権の部分的な喪失を招いた。

同時に、中国の科学者に特許意識が欠けていて、特許権により私営企業のレアアース採掘を制限することを考えなかったため、レアアース業界における悪い競争が引き起こされた。1995年から2005年までの10年間に、中国のレアアース産業が廉価輸出で失った外貨は100億ドルにも上る。

レアアースの備蓄戦略は必須

レアアースの大量流出に伴い、中国のレアアース大国としての地位も脅かされつつある。中国はレアアースの備蓄システムを構築すべきであると、徐光憲教授は提議する。

中国のレアアースは、採掘量は多いが、利用率は低い。1958年に包頭鋼鉄公司が創業を開始してから、2008年までに、白雲鄂博の中央鉱床・東鉱床で採掘したレアアースは1500万トンだが、その利用率は10%にも満たない。トリウムは8万トンを採掘し、利用率は0%である。2008年の採掘速度でいけば、もし、制御をしなければ、中央鉱床・東鉱床は25年以内に掘り尽くしてしまう。中国南部のイオン吸着型鉱床は非常に貴重な重レアアース(重希土類元素)資源だが、既に、1970年から2007年までに資源の60%を消費し、その利用率は僅か40%であった。現在の採掘速度でいけば、南部のイオン吸着型鉱床も10年以内に掘り尽くしてしまう。この時、米国は世界第一位のレアアース大国となり、レアアースの価格が100倍、1000倍にも高騰する可能性がある。中国は、完全に他国からの制約を受けることになる。

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