第17回五中全会(中国共産党第17期中央委員会第5回全体会議)が10月15日から18日にかけて北京で開かれる。会議では、『中共中央の国民経済及び社会発展の12次5カ年計画に関する意見』について審議が行われる。専門家によれば、戦略的新興産業の育成に力を入れることが、「十二・五」計画策定の明確な重点の一つになり、関連産業の発展方向や戦略要点、重大措置についてもそれに伴う形で確定するという。中でも、ハイエンド分野の製造産業に最も重点を置くことになるようだ。
77歳になる中国工程院の院士で著名な装備製造専門家でもある柳百成氏は次のように予測する。「戦略的新興産業は『十二・五』計画期間中に飛躍的な成長を遂げるだろう。」また、国務院発展研究センターの蘆中原氏も「『十二・五』計画の最終段階には、戦略的新興産業の大体の形が出来上がっているはずだ」とした。
政府投資規模四万億元超も
ハイエンド分野の製造産業発展目標はすでに明確化、どのように発展させるかが今後の重要課題となる。
まずは発展の重点を明確化しなければならない。工信部(工業情報化部)から見れば、その重点は装備製造業(大型機械、設備等の製造)だと考えられる。
大型装備製造業は、ハイエンド分野であり、製造業におけるハイテク技術及び先進的管理システムはこの装備製造業に体現される。また製造業において最も大きな利益空間を占めているのもこの装備製造業である。装備製造業は、製造業全体の方向をリードし、その全体のレベルを左右する。その中には、大型機械、船舶、飛行機、発電設備、大型ボイラー、冶金機械、鉱山用機械、専門設備等の大型装備生産メーカーが含まれる。
企業のイノベーション創出のモチベーションを高めるため、「十二・五」期間中、政府からの投資もアップする。現在、科学技術分野では、全国の研究開発投資がGDPの約1.5%を占めているが、今後5年で2~2.5%にまで増加する予定だ。
「GDPの基数が大きいため、科学研究への投入の伸び幅も巨大なものになる」と劉百成氏は言う。データによれば、2009年中国国内総生産は335,353億元に達し、今後毎年の経済成長速度が8%を維持できれば、「十二・五」期間中に科学研究に投入される金額は、2008年の四万億元の投資規模を超え、45,892億元になる。しかもこれは、科学研究への投入金額のみで、プロジェクト投資や減税や税金免除等の要素は含まれていない。
財政の科学研究投資拡大と同時に、中国政府はハイエンドの装備製造分野において企業、大学、研究所がそれぞれの専門技術や知恵を集結できるよう、イノベーション創出連盟やイノベーションの「場」を提供し、核心分野において大きな成果を目指す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年10月15日