マーティン・ウォルフ氏 |
複雑で変化の多い中国経済を正しく分析できる人はいないかもしれない。しかし、英フィナンシャル・タイムズ紙のマーティン・ウォルフ副編集長(経済チーフ・コメンテーター)による分析が、世界で最も聞くに値するものであることは間違いない。マーティン・ウォルフ氏による中国経済の分析はこれまで、常に注目を集めてきた。11日に行われた英国のある年度ハイレベルフォーラムにおいて、ウォルフ氏は再度中国経済を全面的に分析した。「国際金融報」が伝えた。
ウォルフ氏は「中国は過去30年間にわたり、驚くべき経済成長を遂げてきた。このような状況の中では、人々はいくらか得意になるものだが、依然としてリスクの可能性に目を向けるべきだ」と警告、「中国経済には依然として不均衡、協調性のなさ、持続可能性のなさという問題が存在している」とした。
ウォルフ氏はまた、「中国と世界最大の経済大国・米国の間には依然として比較的大きな差が存在している。購買力平価で換算した1人あたりGDPは米国の5分の1でしかない。中国は1949-1979年の間、米国との差を縮めていないが、1979年からは急速な追い上げを見せ、中国の1人当たりGDPが米国の1人あたりGDPに占める割合は3%から20%へと上昇した。日本の経験から考慮すると、中国における過去30年間の経済成長スピードは、あと20年は続き、2030年には1人あたりGDPが米国の50%-60%に達するだろう。しかしそれには、生産率、投資、金融、資源、外部需要、地理政治という、現在直面する6つの重大リスクをしっかりと処理するということが前提だ」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年11月14日