日本は景気低迷が続き、株価も低評価である一方、中国の民間企業は再編の重要な時期にある。このため今なら日本の資金や技術、ブランド、製品を中国市場に導入し、国内市場と国際市場を短期間で有効に開拓できる。「浙商網」が伝えた。
「一国の経済の柱は大企業ではなく中小企業だ」と指摘するのは、中日間の経済提携について詳しい、日本企業と交渉経験の豊富なアドバスト・インベストメント株式会社のパートナー、周駿健氏。日本の中小企業の多くは、大学の研究機関も含め、先端技術を手にしている。これらの技術は中国の経済成長と産業構造の転換にとって実用性が高いという。「今が中国の投資ファンドが日本に進出する絶好のチャンスだ。わずかな資金でハイテク技術を手に入れ、国内に導入、国内で開花させ、最終的には国際市場に打って出る」というのだ。
国内の大手家電量販店・蘇寧電器は1億元で日本のラオックスを買収したが、現在の時価総額は10億元に上る。日本の上場企業が中国企業と買収協議で合意したという情報が一旦公開されると、その会社の株価は一気に上昇する。
神州デジタル、方正科技、無錫尚徳、蘇寧電器、阿里巴巴(アリババ)など多くの中国企業が日本で買収を行ったが、その規模や影響力はまだそれほど大きくない。こうした企業の日本での買収は依然として自社の業務拡大にすぎず、日本の主流市場どころか中小企業の主流市場にさえ進出していない。同じように多くの投資機関が日中間の買収で困難に直面している。業界関係者の多くがそれぞれバラバラの行動を取り、専門機関にまで成長できずにいる。
「中国企業が日本企業の買収を通じて最も手に入れたいものは日本の技術、ブランド、国際市場のネットワーク、一方の日本企業のほうは中国の資金と中国の市場シェア、それに廉価な労働力を求めている。それぞれの企業が必要なものを補え合える」と周氏は説明する。
国家工業情報化部は今年立ち後れた生産能力の淘汰企業リストを公表したが、そのうち180社は浙江省の企業だった。リストには入らなかった企業も同じように「省エネ・排ガス削減」という重い課題に直面している。一方、日本企業は省エネ・環境保護技術の研究・応用面で世界をリードしている。こうした技術はちょうど中国企業の再編に必要なものだ。
とはいえ、中日間には常に歴史的な問題が絡んでくる。「中日は一衣帯水とはいえ、実際には欧米ほど互いの体制の違いを理解していない。その違いは歴然としている。このため中日間の買収は欧米間の買収より障碍が多い」と中華全国工商聯併購公会の王巍会長は中日企業の提携に関心を寄せつつ、「1回の買収にかかるコストは多くが商業的コストのはずだが、中日間の場合は、その歴史的な要因や民族的なわだかまりから社会的コストに相対的な代価を支払わなければならない」と指摘する。
「人民網日本語版」2010年11月19日