▽留学生の場合:学費が予算オーバーで両親の負担増
日本円上昇の影響が最も大きいのが日本への留学生であることは間違いない。留学コスト増大で留学生たちは苦しんでいる。慶応義塾大学の大学院生・徐欣さんは「今年の学費は去年より1万元くらい多くなり、予算を大幅に超えてしまう」と苦境を語る。
徐さんの一年間の学費は100万円で、昨年は人民元に換算して約7万元だったが、今年は約8万元になる。日本円の高騰、それはつまり国内にいる徐さんの両親がより多くの学費と生活費を準備しなければならなくなるということで、両親にとっては小さくない負担増だ。
日本経済が低迷しているため、今年4月以来、徐さんはアルバイト探しに苦労している。実家に送金を頼むたびに非常に心苦しい思いをするという。
▽サラリーマンの場合:企業も苦境、最後はリストラか
ホワイトカラーに属する中国人サラリーマンにもさまざまな懸念がある。兵庫県で建築物のシステムメンテナンスをしている張さんによると、日本円の上昇は帰国しようと考えている人や別の国に旅行しようとしている人にはプラスだが、日本に長期滞在する中国人にとってみれば、決して楽観できるものではないという。
日本円の大幅上昇は日本の生命線の輸出にも打撃を与え、日本企業の中には持ちこたえられないところも出てきており、いずれ働く人々に影響が出るものとみられる。まず年度末のボーナスが減額され、より深刻なケースではリストラに至る可能性もあるとみられる。
「人民網日本語版」2010年11月22日