米経済誌「フォーブス」が選ぶ「2010年中国大陸部最優秀商業都市ランキング」がこのほど発表された。トップ10はそれぞれ広州市(広東省)、上海市、深セン市(広東省)、杭州市(浙江省)、蘇州市(江蘇省)、北京市、無錫市(江蘇省)、寧波(ニンポー)市(浙江省)、南京市(江蘇省)、天津市となった。広州は昨年トップの上海を退け、最優秀商業都市に選ばれた。上海のランクダウンと、今回のランキング全体から、以下の4つの問題が見て取れる。経済参考報が伝えた。
(1)不動産価格の高騰による高コストは、都市の競争力を弱めることにつながる。上海は経営コスト指標が0ポイントだった。一方の広州は0.2248ポイントだった。オフィスビルの価格と賃料はビジネス・コストにおいて非常に重要な要素となる。CB Richard Ellisが発表したデータによると、今年上半期、広州と上海の高級オフィスビルの賃料はそれぞれ1平方メートル1カ月あたり97.2元と209.8元、販売価格はそれぞれ1平方メートルあたり1万5798元と3万1242元だった。広州の高級オフィスビルの賃料と販売価格はそれぞれ上海の46%、51%にとどまった。
不動産価格は本来、都市が発展した結果だ。しかし中国の都市の多くは、まず不動産価格を吊り上げ、高価格で土地を売ることで都市を経営している。オフィスビルまたは住宅の販売価格と賃料が高すぎることにより、ビジネスコストは高まり、人材の吸収力も下がる。特殊な情況にあった香港を除き、これまで高価格で土地を売ることで都市発展を推進してきた大都市が世界のどこにあるだろうか?
(2)交通渋滞も都市の競争力を下げることにつながる。上海は地下鉄が建設された第二の大陸都市であり、虹橋と浦東という2つの空港を持っているが、旅客輸送指数はわずか0.7083ポイント、貨物運送指数もわずか0.8643ポイントだった。広州はどちらも満点の1ポイントで、それぞれ100都市の中でトップとなった。首都・北京は、今回のランキングでも前年と同じ6位にとどまったが、これも交通渋滞と関係がある。北京の旅客輸送指数と貨物運送指数はそれぞれ全国18位、15位だった。二線都市は北京など、交通渋滞に悩む都市の現状を教訓とし、将来を見通した科学的な都市計画を行い、交通量増加に向けてしっかりと準備するべきだ。一方の一線都市は乗用車の保有量を適度に制限するべきだろう。