中国社会科学院(社会科学アカデミー)は7日に北京市で、「経済青書:2011年の中国経済情勢の分析および予測」を発表した。それによると、現在発生している労資紛争の問題は発展の法則に合致した現象で、必然的に発生したものであり、一種の「成長の苦悩」と見なすことができる。回避するべきでないし、回避することはできないという。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
同青書はこうしたことの原因を分析する中で次のように指摘した。中国の改革開放以来の経済の高度成長は、急激な人口の変化もともなった。2004年から11年までの間に、労働人口の増加数は毎年13.6%のペースで減少し、こうした変化により労働力はもはや無限に供給できるものではなくなった。これは05年以降に頻出した「民工荒」(出稼ぎ農民労働者の労働力の不足)が根本的な原因だ。これと同時に、03年以降は一般労働者の割合が高い産業では、労働者の給与が大幅に増加すると同時に、出稼ぎ農民労働者の給与も年10.2%のペースで急速に増加し、とりわけ農民の就労者の給与は一層速いペースで増加した。
こうしたことを踏まえて同青書は次のような見方を示す。中所得層から高所得層への転換は決して順調に進むものではなく、特にルイスの転換点にさしかかった後は、「成長の苦悩」に一層悩まされることになった。正確な政策を採って新たな状況に対応し、中所得層の陥穽を飛び越えることが必要だ。最も重要なことは、経済の発展段階に応じて正確な判断を下し、労働力市場の制度建設を加速させ、所得分配のメカニズムを改善することだ。
「人民網日本語版」2010年12月8日