米国・ワシントンにあるピーターソン国際経済研究所のシニアフェローのアルビンド・スブラマニアン氏は13日、購買力平価(PPP)で計算すると、中国経済はすでに2010年に米国を抜いたとする研究報告を発表した。ここ数年来、人民元の急速かつ大幅な切り上げをたびたび主張してきた同研究所が、またしても中国に関する新しい「神話」を描き始めといえる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
スブラマニアン氏の説によると、PPPで計算すると、2010年の中国の経済規模は14兆8千億ドル、米国は14兆6千億ドルとなり、中国経済はすでに米国を抜いて世界一になったのだという。
米国の有名調査機関ピュー・リサーチ・センターが12日に発表した米国国民に対する最新の世論調査「中国は友人か敵か」の結果でも、米国国民の47%が中国を世界一の経済強国とみなしており、米国が世界最大の経済体だとする人は31%にとどまったという。
同調査では、回答者の67%が中国の脅威は主に経済的な脅威であり、軍事的な脅威ではないとの見方を示した。また53%が米国政府は経済問題や貿易問題で、中国に対してより厳しい態度を取るべきだとの見方を示した。
新中国の開国の指導者・毛沢東が50年前に提起した、今後50-60年で米国を追い抜くという戦略的目標が、今や米国の研究機関の研究報告の中で「達成」された。この事実を前に複雑な思いを禁じ得ない。
北京在住のある経済アナリストの指摘によると、西側には世界経済1位という王冠の栄光を惜しげもなく中国に与える人がいるが、これは賞賛しているのでも祝福しているのでもない。中国国民はこうした事実と異なる「1位」を前にして頭を冷静に保ち、中国の国際的位置づけをしっかり見極めなくてはならないという。