PPPとは、一連の商品やサービスの各国における平均価格を算出して比較するものであり、基軸通貨1単位(1米ドルなど)で購入できる商品やサービスが比較対象国の通貨ではいくらになるかを考える。
実際、購買力平価はレートの決定要因を説明する概念の一つであり、その理論的基礎は貨幣数量説だ。レートは2国の購買力の比較によって決定される。他の条件が変わらない場合、外貨のレートと自国の物価水準とは正比例し、外貨のレートと当該国の物価水準とは反比例する。
中国社会科学院(社会科学アカデミー)経済研究所の袁鋼明研究員の指摘によると、ピーターソンの研究報告は人民元の購買力平価を押し上げやすい商品ばかりを選んで算出したもので、米国政界の一部が人民元レート問題で中国に圧力をかけるための証拠を増やそうとするものだという。
前出の北京在住の経済アナリストによると、理論の上で購買力平価の算出にはなお欠陥が存在する。たとえば選択する商品がすべて貿易商品であり、非貿易商品が含まれていないこと、貿易コストと貿易障壁の影響を考えないこと、国際資本の流動がレートに与える影響を考えないこと、などだ。
陳所長は「世界銀行の数年後の購買力平価の計算方法に基づいて算出したとしても、中米両国の経済力の対比を真に反映させることはできない。中国の経済規模が今後何年かで米国を抜いて世界一になったとしても、全体的な規模が1位になるに過ぎず、真の実力という点ではなお大きな隔たりが存在する」と話す。
「人民網日本語版」2011年1月19日