中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳鳳英所長は「ピーターソンの研究報告は科学的でないし、無責任なものだ。目的は人民元の切り上げを誘い、切り上げ圧力を加えることにあり、中国に能力を超えた責任を負わせようとするものだ」と話す。
また陳所長はピュー・リサーチの世論調査の結果について、圧倒的多数の米国国民は中国をよく理解していない。この調査結果は経済危機の底の時期にある米国国民の心情や態度を反映したものに過ぎず、中米両国の経済力を評価する上での参考資料とはならないものだと話す。
世界規模での国際比較プロジェクトは、国際連合が提起し、世界銀行が実施する世界的な統計作業で、その核心は各国の通貨の実際の購買力を検討して、各国の自国通貨で表示された国内総生産(GDP)指標をPPPという比較可能な指標に換算し、国際経済を比較するという点にある。
中国は2009年、新たな国際比較プロジェクトに全面的に参加することを決め、世界統一のタイムスケジュールを踏まえて2011年1月に関連の調査を全国規模でスタートさせた。予定では2013年に研究結果が出るという。
陳所長によると、世界銀行が公布したPPPに基づく方法で計算すると、2010年の中国の経済規模は約10兆ドルで14兆8千億ドルではない。一方、米国は14兆6千億ドルを超えることになり、「中国経済が2010年に米国を抜いた」とする研究報告は一種の「虚構の物語」だということになる。
陳所長の指摘によると、「人民元レートが過分に低く見積もられている」とかねてより主張してきたピーターソンは、人民元の購買力を「過分に高く見積もる」ことを土台として今回の研究報告をうち出している。