シンガポール紙「聯合早報」が「中国の『高速鉄道外交』、新勢力台頭」と題する文章を発表した。内容は次の通り。
昨年の国際ニュースは、新路線の敷設完了、審査順調、スピードアップに成功、鉄道の全面的革新実現など中国の「高速鉄道」に関する報道が少なくなかった。それと同時に中国の発展にともない、世界の潮流も変化し、中国は高速鉄道を国境の外にまで延ばすだけでなく、海を越えて世界規模で高速鉄道網を建設し始めた。そうして新しい「高速鉄道外交」という言葉が誕生した。
中国はすでに世界の航空機製造業の競争に加わりつつあるが、今の中国にとっては空を飛ぶ航空機よりも地上を「飛ぶ」高速鉄道をつくるほうが割に合う。その理由は、第一に国民経済や国民に今最も必要なため。第二に経済的に受け入れられ、すでに技術を手に入れているため。第三に高速鉄道にはビジネスチャンスが無限なだけでなく、世界の中国に対する偏見を変えることができる。高速鉄道は赤裸々な戦争兵器ではなく、人類に直接幸福をもたらし、外交の道具となって国と国、人と人の間の距離を縮めることができるためだ。
昨年12月7~9日、第7回世界高速鉄道大会が中国の首都・北京で開催された。同大会が欧州以外の国で開催されたのは初めてで、このことは中国が今や世界の高速鉄道において最も急成長しており、営業距離が最も長く、運営時速が最も速く、建設中の規模が最大で、最も整った技術を有する国であることを黙認した証でもある。会期中、タイとラオスの政府関係者が、中国・タイ・ラオスの3カ国を結ぶ高速鉄道を2015年までに完成させる契約を同3カ国が結んだと明らかにした。これは長年計画されてきたパン・アジア鉄道の東南アジア回廊部分の形が定まったことを意味し、中国の高速鉄道が国境の外にまで延びた最初の具体例でもある。