五鉱赣州稀土公司によると、現在のところ、地震がレアアースの輸出に与えた影響はわずかであるが、日本の産業チェーンは密接に関連しあっているため、レアアース産業に与える具体的な影響は未だ不透明である。包鋼稀土公司も、現在、地震がレアアース産業にあたえる影響を観察しているところだとしている。
レアアース以外に、日本の地震はレアメタルにも影響を与えた。例えば、これまで好調を続けてきたインジウムの価格は地震発生後、急速に下落した。
インジウムは銀白色の柔らかい金属である。産出量は銀の1%ほどであり、パソコン、太陽エネルギー電池、ハイテク分野などで広く利用されているが、日本では主に液晶ディスプレイに活用されている。中国は世界最大のインジウム生産・輸出国であり、世界のインジウム総産出量の30%を占めている。日本は世界最大のインジウム消費国で、毎年のインジウム需要量は世界の年間インジウム産出量の70%以上を占めている。その内の大部分は中国から輸入している。
株冶集団は中国最大のインジウム生産メーカーの一つであり、日本が主な輸出対象国である。株冶集団に詳しいアナリストは「同社の大部分の顧客は日本の南西部にあるが、これら顧客は産業チェーンにおける中間業者である。したがって、日本の自動車、半導体、家電業界が被害を受けたことにより、川上の原材料サプライヤーにもその影響は波及してくるだろう」と指摘した。これはインジウムの価格が下落した主な原因であるという。