福島第一原発で発生した放射性物質漏えい事故に人々の関心が集まっている。このような状況の下、風力発電などクリーンエネルギー産業の見通しが明るくなってきている。ヨーロッパ風力エネルギー協会はこのほど、ベルギーのブリュッセルにおいて、EUは今後20年で風力発電工業計画の実施に4000億ユーロを投じると発表した。業界関係者は、中国の風力発電設備は現在、世界においてコスト面での優位性をもっており、ヨーロッパにおける風力発電の発展は中国に大きな利益をもたらすだろうと指摘した。
ヨーロッパはこれまでずっと風力発電市場をリードしてきた。2009年末までの風力発電容量は7655.3MkWで、世界で47.9%を占め、2010年までに4000MkW達成の目標を大きく上回った。しかし、2009年の風力発電容量の新規増加分に関しては、ヨーロッパはわずか28.2%、一方、北米は39.3%、アジアは30%で、ヨーロッパは長年守ってきたトップの座を明け渡した。そして、ヨーロッパに代わり、中国とアメリカが世界の風力発電産業のけん引役になった。
これをうけ、ヨーロッパの風力発電事業者は政策決定機関に対して圧力をかけ始めた。調べによると、ヨーロッパ風力エネルギー協会はこのほど、EUに対し、風力発電工業の長期的な投資計画を後押しするべく、2030年の再生可能エネルギー目標をいち早く制定し、安定したエネルギー政策を確保するよう呼び掛けた。同協会はEUの制定した2020年再生可能エネルギー目標に満足を示していたが、その後の政策が空白なことを懸念したようである。