「日本で地震が発生して、日本へのうなぎ輸出をすぐに止めました。」
江西西竜食品有限会社の章礼森社長は心配そうに語った。「日本の地震が当社に与える影響は大きい。短期間では回復が難しいだろう。」
江西西竜食品有限会社は浙江・江西の2つの省境にある玉山県に位置している。主としてうなぎかば焼き冷凍食品シリーズを生産する企業だが、活うなぎの輸出も兼業している。製品はほとんどが日本向けで、ここ数年は年平均2000トン以上のうなぎかば焼きの冷凍食品を日本に輸出してきた。
震災後の日本市場に章礼森さんは悲観的だ。「破産、従業員解雇」という最悪のシナリオまで考えている。
通常日本への輸出は1ヶ月前に発注されるため、江西瑞金市紅都水産食品有限会社は今のところ地震の影響は出ていないが、頼允文社長はこの大震災が発生したからには短期間で日本のかば焼き市場にも影響が出てくると考えている。 「地震の影響は一定のタイムラグがあるので判断は難しいが、日本は大事な輸出市場なので心配はもちろんします」という。
中国から日本へかば焼きを輸出する場合、価格はおよそ1トンあたり3万ドルだ。ハイエンドの消費財に属している。官少飛氏(江西省漁業局長)は、震災がうなぎのかば焼きを代表とする高級淡水水産物の日本輸出に大きく影響を与えると発言している。「震災で日本人の消費意欲は削がれており、日本市場でうなぎのかば焼きの消費量がある程度下がるのはやむを得ない」
広東の活うなぎを扱う企業にとって最大の課題は物流だ。
広東のうなぎ協会の徐会長は、この1週間で広東からの活うなぎ輸出数量は30%減少した
と語る。輸出量減少は販売市場の問題ではなく、震災で日本の一部地区の陸路運送が断絶されているためで活うなぎを買い手の元に送り届けることができないことによるものだ。
農産物日本輸出規模最大の省は山東省だ。類似する問題に直面している。