文=コラムニスト・陳言
日本の自動車業界が受けた影響は、トヨタやホンダなどのメーカーが操業を停止したことからも分かるだろう。電子産業が操業を再開するにはまだ時間がかかると見られている。原子力発電所を廃炉にするためには1兆円近い費用がかかり、また、東京電力は被災者に対し数兆円の賠償を支払わなければならないという。東日本の住宅、道路、港の再建には数十兆円が必要だと言われており、元々技術革新に投資されるはずであった予算は、今後数年間、被災地の救援に使われることになる。日本のGDPに大幅な下落は見られないといわれているが、景気の回復が遠のいたことは言うまでもない。
日本語で災難が続くことを表す際には、「泣きっ面に蜂」という諺がよく使われる。
3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の大地震が数分間、西日本を揺らした。1時間後には、20メートルを越える津波が東日本沿岸を数時間にわたり破壊し、自動車、船を数階建ての建物の上に打ち上げた。また、地震と津波は東京電力福島原発の事故を招いた。地震と津波発生から半月が経つが、現在まで事故を制御できていない。「福島原発を廃炉にするにはおそらく10年はかかる」と日本の原子力発電の専門家は中国新聞周刊の取材でこのように述べた。
数分間の地震から数時間の津波、そして、処理に十数年かかる原発事故まで、3月の日本は史上最も悲劇的な天災に見舞われた。「20年間の低迷から抜け出せていないにもかかわらず、このような地震に遇うなんて、神様は不公平だ」。地震後、このように語った日本人は少なくない。