世界の産業に影響を及ぼした小さな電子部品
自動車産業だけでなく、電子産業にも地震の影響が及んだ。ソニーは静岡県と愛知県の工業を操業停止にした。その影響は伝染病のごとく日本および国外の電子企業に波及した。キャノンの大分工場、アップルのipad工場も操業停止の危機に追い込まれた。
東日本地区の工業は他の地域と比べるとやや遅れているが、ここ数年、比較的最先端の電子産業がこの地域に集まってきており、経済に活力を与えている、しかし、地震と津波がこの地域の電子工業に多大な打撃を与えた。
「地震発生後、ipad2は部品が調達不足に陥ったため、商品の供給が追い付かなくなる可能性がある」。地震後、日本の調査会社HISがこのようなレポートを発表した。3月25日より、ヨーロッパとオーストラリアは同商品の発売を停止、日本を除くアジア諸国でも販売が遅れるなどの事態が発生した。
東芝は深刻な被害を受けた岩手県に岩手東芝工場と電子工場を持っている。ここでは主にカメラに使われるCCDセンサーとCMOSセンサーを生産している。現在、携帯電話にはカメラ機能がついているが、東芝のこの部品は携帯電話だけでなく、自動車や多くの電子設備に使われている。「工場は操業停止となり、生産設備はある程度の損害を受けた。生産がいつ再開されるかはまだ未定である」。地震発生後、東芝の広報担当者は中国新聞周刊の取材でこう述べた。
ソニーの状況も相当困難である。宮城県多賀市のソニー多賀事業所、テープ・CD生産ラインが海に沈んだ。「生産は完全に停止し、いつ操業が再開されるか、現在のところ見通しは立っていない」