英「フィナンシャルタイムズ」紙は3月28日、中国がドイツと米国に次ぎ、ベンツの世界第3の市場となったことを伝えた。しかも中国は、最高級車種であるSクラスの世界最大市場のひとつとなった。昨年、ベンツの中国大陸部での販売台数は115%増となっている。
彼らはシカゴ市長よりももっと早くから中国人富裕層の財布に目をつけていた。昨年、同社は飛行機で100人の中国人顧客をドイツと米国ロサンゼルスに招待し、まもなく生産される豪華車種のエクステリア塗装とインテリア機能に関する意見を求めた。そして、最終的に得られた答えは「中国人は最も大きく、最も高価な車種を好む」というものだった。
これらの自動車メーカーの心配りは想像を上回るものがある。フォルクスワーゲンはアウディQ5のインテリアに、温度調整機能付きのカップホルダーを装備した。なぜなら「中国人は飲み物の入ったカップをどこにでも持ち歩くから」だ。ゼネラルモーターズ(GM)は新車種において、中国人向けに広々とした快適な後部座席空間をデザインした。ボディを長くし、より快適な後部座席を取り入れるのは、各メーカーが中国人向けの豪華車を設計する際の共通点とも言える。なぜなら、「中国人のお金持ちは普通、専属運転手に運転させるから」だ。
中国人特有の好みは、自動車メーカーの生産・デザインに影響を及ぼしている。分析によると、このような影響はまだしばらくの間、スペックや塗装に残ると見られる。将来的には、中国人は自動車のスピードにも注目するようになるだろう。そうなれば自動車のコア技術にも影響が及ぶかもしれない。