▽未来の産業発展の主要な方向
--この新しい位置づけをめぐり、産業構造をどのように調整し、国際競争力をどのように高めるのか。
現在、中国は全体として工業化の中期の段階に入った。製造業の規模はすでに大きくなり、製造業の主要産業30分類のうち、半数以上が世界トップとなったが、製造業の全体的な水準はまだ低いといえる。それは主に、イノベーション研究開発能力の弱さ、掌握した中核技術の相対的な少なさ、独自の知的財産権や独自ブランドを擁する製品の少なさ、国際市場における営業販売ルートの脆弱さなどに表れている。
中国のグローバル経済分業システムにおける新たな位置づけに基づき、今後数年間の中国の産業発展の主要な方向として次の4点が挙げられる。
(1)国際競争における新たな優位点の育成を加速する
引き続き中国の優位点を発揮し、労働集約型製品の市場シェアを固めて拡大するとともに、技術、ブランド、品質、サービスなどを中心とした輸出競争の新たな優位点を早急に形成して、「メードインチャイナ」から「クリエイトバイチャイナ」への飛躍を達成し、グローバル産業分業体制における中国の地位を高める。
(2)サービス貿易の発展に力を入れる
十二五期間には、サービス貿易を国際経済協力や競争に参与する際の新たなプラットフォームと位置づけ、貨物貿易によってサービス貿易を牽引し、サービス貿易の発展加速によって貨物貿易のグレードアップを促し、貨物貿易とサービス貿易との良好な相互関係を実現する必要がある。
(3)戦略的新興産業を育成し発展させる。
新興産業の育成と発展は、世界各国が経済・科学技術の新たな優位点を獲得しようとする際の戦略的な選択となっており、戦略的新興産業の発展を加速することは、中国が国際産業チェーンの両端に延伸する動きを加速させる上でプラスになる。
(4)技術の進歩や産業のグレードアップにおける外資の役割を強化する