世界経済は現在回復に向かっている。世界経済は2009年に2.2%の衰退を経た後、2010年には3.9%の成長を実現した。しかし、回復の基盤はまだ固まっておらず、先進国の失業率は依然として高く、ヨーロッパ諸国の債務危機、日本の大地震、インフレ圧力など不透明かつ経済に下向きリスクを与える要素は多分にある。
2011年の世界経済は3.3%の成長になる見込みである。しかし、世界の経済回復にはアンバランスがみられ、発展途上国の経済成長率が6%であるのに対し、先進国の経済成長率はわずか2.4%になる見通しである。
先進国は消費が伸びず、生産能力過剰は依然として深刻である。先進国は金融問題を抱えており、それが経済成長の妨げとなっている。
疲弊した外部環境をよそに、新興国家と発展途上国は発展の余地を拡大している。産業のグレードアップ、インフラの改善など各方面の整備が今後も進めば、新興経済体は今後も急成長を遂げ、世界の経済回復を牽引するようになるだろう。
このような背景の下、世界のインフレ圧力は鮮明となってきており、食品価格の上昇がその大きな要因となっている。2010年半ばより、穀物価格は値上がりを続けている。穀物需要が増えたこと、ロシアやウクライナなどで気候の影響により小麦の生産量が落ちたこと、アメリカでトウモロコシの生産量が落ちたことが値上がりを招き、国際穀物価格を押し上げた。また、原油価格の上昇により化学肥料のコストが上がり、それも穀物価格上昇を助長している。