中国経済がこのまま安定した発展を継続すれば、将来的に経済規模でアメリカを越えるということは容易に予測できる。中国は過去30年間の改革の過程で、市場と政府の両方の役割発揮を重視し、自身の利点を生かして、産業の発展を推進することを強調してきた。中国が危機管理を忘れず、経済発展モデルの転換に成功すれば、今後2、30年で再び奇跡を起こす可能性はある。
中国政府は長年にわたって、経済発展モデルの転換は「十二・五(第12次五カ年計画:2011-2015年)計画」期間における重要な戦略方針だと強調してきた。「十二・五計画」では、国内の賃金水準を高めることや、国内産業のグレードアップが中国経済の長期的な成長にとって不可欠であるとされている。
経済発展モデルの転換に重要なことは、市場経済体制を整備し、市場による資源配置を重視することである。中国は、政府の財政状況が良い事、民間貯蓄率が高い事、企業利益が多い事に加え、外貨準備高が非常に充実しているなど、発展に有利な条件をたくさん持っている。これらは中国の投資と産業のグレードアップにより有利な条件を与える。