「中国はいつ世界一になるのだろう」。「2016年だ」。
国際通貨基金(IMF)はこのほど初めて、中国経済が米国を追い抜くのは2016年であるとの見方を示した。この命題についてこれまでさまざまな機関がさまざまな予測をうち出しているが、その中でもIMFの予測は最も大胆なものだといえる。「国際金融報」が伝えた。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が26日に発表した評論によると、IMFは「米国時代」の終わりのタイムテーブルを設定したのだという。英紙「フィナンシャル・タイムズ」は「中国の勃興、米国の譲位」と題して中国に「加勢」したが、中国の各分野の専門家はこうした予測に対して淡々としており、「国際金融報」の取材に対して、こうした予測が次々に出てくるが、計算の正確さはともかくとして、世界一をめぐる予測の背後に潜む不安に警戒が必要だと話す。
▽さまざまな世界一の予測
中国は世界一まであとどれくらいだろうか。この問いへの回答が、関連金融機関が避けて通れない話題、あるいは熱を入れて語る話題となっている。
米シティバンクのグローバルチーフエコノミストのウィレム・バウター氏とその研究チームはこのほど、報告書「グローバル成長エンジン」の中で、9年後の2020年に、中国は米国を抜いて世界一の経済体になるとの見方を示した。同じく米金融グループのゴールドマン・サックスは、中国は2027年に世界一の経済体になると予測。また英HSBCグループは、2050年に中国は米国を抜いて世界一の経済体になるとした。
上海財経大学現代金融研究センターの奚君羊副主任は「国際金融報」の取材に応える中で、「中国はグローバル経済発展の焦点になっており、各種金融機関が研究成果を発表するのは、広く関心を呼びたいがためであるのが常だ。明らかに、『中国はまもなく米国を追い抜く』といったような見方は、人々の目を常に引きつける。こうした予測の発表を通じて、ある種の政治的な目的や経済的な目的を達成したり、達成を助けようとする意図があることは明白だ」と述べた。
実際、世の人々はグローバル経済の局面の変化が大きな流れになっていること、新興市場の経済規模が先進市場を追い抜くのは不可避であることを認識する必要がある。ゴールドマン・サックスの予測によると、2011年にはインドが日本を抜いて世界3位の経済体となり、ブラジルが英国を抜いて世界8位になるという。