絶対的成長と相対的衰退
絶対価値で計算すると、過去10年のアメリカの成長動向が明らかとなる。2001年にITバブル崩壊、2008年から2009年にかけて金融危機による経済の大低迷があったものの、不変価格に基づく計算によると、2000年から2010年までに、アメリカのGDPは21%上昇している。2010年アメリカの軍事支出は2000年と比べ55%増え、6970億ドルに達した。2010年のアメリカの人口は3億1000万人、2000年より10%増加している。
人口が運命を決めるという言い方は少し言い過ぎであるが、人口の増加が高齢化のもたらすネガティブな影響を減らすという意味で、人口の規模は非常に重要である。アメリカの現在の状況はこれを示している。他の先進国と比べて高い出生率と移民率がアメリカの人口を増大させている。
しかし、世界の他の国家と比べると、アメリカは一部の指標で大幅な下落が見られる。2000年、G20の中で、アメリカのGDPはその他19カ国のGDPの総和の61%だった。しかし、2010年、この数字は42%まで落ちた。2000年、アメリカのGDPは中国の8倍以上だったが、2010年には3倍以下にまで落ち込んだ。