中国人民銀行(中央銀行)は3日に発表した「中国金融安定報告2011年」の中で、今年も引き続き積極的な財政政策と、穏健な通貨政策を実施することを明らかにしたほか、今後の金融業務の重点として直接融資の規模拡大を挙げ、新しい金融指標「社会融資総量」をより重視していくとした。国際金融報が伝えた。
同報告は、「中国経済は今年、安定した比較的速い成長を維持する上で国内外の様々な試練に直面しており、社会融資総量という指標から経済に対する金融支援の度合いをはかり、直接融資の規模を拡大するなど、積極的な財政政策と穏健な通貨政策を実施することが必要だ」と指摘する。
清華大学中国・世界経済研究センターの袁鋼明教授は「中央銀行のマクロ調整政策は現在、ジレンマに陥っている。利上げや預金準備率引き上げなどの単純な方法で経済を調節すれば、インフレは抑制できるかもしれないが、経済成長に影響が及ぶだろう」と述べる。
また、ある専門家は、「単に信用貸付総量の指標を考慮するのに比べ、社会融資総量は経済全体の資金需要量をより全面的に反映でき、経済調整部門が複合的なピンポイントの調整を行うのに有利だ」との見方を示す。