日本のメディアは最近、中国の高速鉄道の知的財産権に疑問を呈し、日本の新幹線の「パクリ」だとの見方を示している。事実はどうなのだろうか。関係者を取材すると次のような回答が返ってきた。
焦点その1:中国高速鉄道は日本の新幹線の「パクリ」なのか
回答:中国高速鉄道の知的財産権は中国人の手の中に掌握されており、技術水準はすでに日本の新幹線を超えている
中国南車株式有限公司は2004年、国がうち出した「先端技術を導入し、共同で設計生産に取り組み、中国ブランドをうち立てる」との要求を踏まえて、日本の川崎重工業株式会社と協力関係を結び、時速200キロメートルの高速列車を導入した。それから7年の時間が経過し、研究目的の実験や国産化の取り組みを川崎重工と共同で設計していく中で、時速200-250キロメートルの高速列車の設計、製造、テストなどの技術を掌握するに至り、時速350キロメートルの高速列車の設計、製造、テストのシステムを独自にうち立てた。
中国南車集団四方機車車両株式有限公司の馬雲双副総経理(副社長)によると、中国南車は導入、消化、吸収、リイノベーションというイノベーションの道を歩んだ。中国の国情により企業は海外の技術をそのまま使うことができない。馬副総経理は「時速350キロメートルの高速列車の研究開発では、中国高速鉄道の特徴を十分に考慮した。中国高速鉄道は橋梁の割合が高く、砂利のないレールが採用されたため、ボギー台車の参数がより最適になるよう調整する必要があった。また中国高速鉄道はトンネルが多いため、企業は車体ユニットの気密強度などを強化した」と話す。
車両の先端部分は高速列車の自主イノベーションの重要なシンボルだ。中国南車は新世代の高速列車「和諧号」(CRH380A)の先端部分を研究開発する際、20種類のコンセプトデザイン、10種類の模型の分析、5種類の風洞実験、1種類の実物模型によるテストを踏まえて、空気抵抗が低い流線型の先端部分を新たに開発した。鉄道部の王勇平報道官は7日、「CRH380Aタイプの高速列車の先端部分は、美術工芸デザインも技術設計もすべて中国が独自に完成させたものだ」と述べた。
実際のところ、現在の中国高速鉄道の技術水準はすでに日本の新幹線を超えている。あるデータによると、中国がイノベーションにより製造したCRH380Aタイプの列車は、過去に日本の川崎重工から技術を導入し、合弁生産したCRH2列車に比べて、エネルギー効率が4800キロワットから9600キロワットに増加し、走行持続時速が200-250キロメートルから380キロメートルに上昇した。また先端部分の空気抵抗は15.4%、騒音は7%、それぞれ削減された。ボギー台車車輪のレール接触応力は欧州基準より10-12%低くなり、車体の気密強度は4千パスカルから6千パスカルに強化され、時速350キロメートルで走行する列車同士がトンネル内ですれ違っても構造的に安全であることが保証された。
このほか、京津高速鉄道、武広高速鉄道、鄭西高速鉄道、滬寧高速鉄道、滬杭高速鉄道などの線路の最小曲線半径、最大傾斜、レール中心間距離、トンネルの換気断面といった主要技術の基準は、現在の世界の高速鉄道の中で最も高い。
王報道官は「口論することは全く意味のない事だ。事実に基づき、データに基づいて話をするべきだ。中国高速鉄道の独自の知的財産権が、中国自身の掌中に完全に掌握されていることにはまったく疑問がない」と述べ、日本のメディア関係者で京滬高速鉄道を評価する人が少なくないことを紹介した。たとえば日本のTBSテレビの真下淳記者は京滬高速鉄道を体験取材した際、「京滬高速鉄道の科学技術水準は高く、日本の新幹線には(これほどの技術は)ない。日本の新幹線はカーブしながら進むことが多く、中国高速鉄道のように高速走行を維持することは難しい」と述べている。