▽採算性に懸念の声
資金チェーンがひっ迫する中、高速鉄道の採算性を懸念する声も高まっている。中国の証券大手「中信証券」のアナリスト張宏波氏は報告の中で「今のところ高速鉄道の利用者数は発展途上にあり、短期間のうちに多額の利益を出すのは、ほとんどの路線で不可能だろう。武広旅客専用線も2009年に開通して以来、延べ2000万人以上の利用者があるにもかかわらず、いまも30億元(約360億円)の赤字を抱えている。乗車料の引き上げにより利益を確保するとしても、すぐにとはいかず、まだまだ時間が必要だろう」と指摘している。
中国の鉄道を専門に研究する、北京交通大学経営学院の趙堅氏も「将来中国鉄道部の負債額はさらに膨らみ、資産負債率もさらに上昇し、資金チェーンの寸断を招く可能性がある」と指摘。