中国移動通信(チャイナモバイル)が発表した最新の業績報告によると、同社の今年上半期の純利益は96億ドル、利用者は6億2千万件に達した。売上高、利益総額、利用者数ともに世界トップで、同社は現在、世界最大の移動通信キャリアだという。中国経済網が伝えた。
同報告によると、同社の上半期の売上高は400億ドルに達して、中国のほかの通信キャリア数社の売上高の合計を上回り、英国の大手キャリア・ボーダフォンの2010年の売上高188億2千万ドルを抜いた。中国2位の通信キャリアである中国電信(チャイナテレコム)の上半期売上高は中国移動の6分の1に過ぎず、3位の中国聯通(チャイナユニコム)に至ってはわずか4億600万ドルだ。
このような業績報告は、中国移動の業績成長力が試練の時を迎えていることを示すものでもある。現在、同社の利用者1件あたりの平均月間収入は6.68ポンド(約838円)に過ぎず、ボーダフォンの21.70ポンド(約2724円)に遠く及ばない。言い換えれば、中国移動の利用者層はローエンドに移行しており、新たに獲得した利用者のほとんどが国境地帯や辺鄙な農村エリアの低所得者だということだ。現在、同社は米アップル社と話し合いを進め、アップル社最大のヒット商品であるスマートフォン「iPhone」の導入を検討している。
ある報道によると、両社の話し合いは順調に進んでいない。中国移動は中国独自の第3世代(3G)移動通信規格であるTD-SCDMAの唯一のプロバイダーだが、アップル社のiPhone端末はこの規格に対応していないからだ。中国移動はアップル社が同規格に対応した端末をうち出すことを希望しているが、アップル社はそうしたやり方を取ることにより、予測できないビジネス上のリスクを抱えるのではないかと懸念する。
政府が発表したデータによると、現在、大陸部の携帯電話利用者は9億件を超えた。驚くべき数字だが、中国の人口が13億であることを考えれば、発展の余地はなお非常に大きいといえる。
「人民網日本語版」2011年8月29日