(4)政治の停滞
長期的な視野でみれば、日本が直面しているのは経済の問題ではない。長期にわたる政局の混乱が、日本をふたたび失われた十年に陥れる可能性のあることが問題だ。菅首相が2010年6月に就任してからまもなく、民主党は参議院選挙で惨敗し、「ねじれ国会」が出現して、政府の法案成立にとっての障害となった。菅首相の退陣は政権陣営と反対派との関係改善に道を開く可能性がある。新首相も菅首相が任期内に遭遇した議会の膠着状態に直面することが考えられ、自民党との「大連立政権」構想をうち出す首相候補者もいる。
あるアナリストの指摘によると、新政権と野党との関係が注目される。双方が大連立政権の構築を願うのであれば、株式市場は積極的な反応を示すとみられる。野党と与党との間の衝突が第3次補正予算案の可決に影響する可能性があるからだという。