日本民主党代表選挙が予定通り29日に実施され、野田佳彦財務相が民主党の新党首として選出された。野田氏は本日、衆議院と参議院本会議の総理指名選挙を経て、総理大臣に就任すると見られる。証券時報が報じた。
第1回投票では過半数を獲得する候補がおらず、決選投票の結果、野田氏が民主党の新党首として選出された。経済成長と財政改革が、新内閣の経済政策の重点となる。野田氏は29日、「首相に就任後、原発事故の処理を迅速に行い、復興の推進を継続し、経済・財政問題に取り組むことが最重要課題」と発言した。
野田氏はこれまで経済成長を重視しており、経済成長により失業率を抑制し、国内消費の低迷を改善し、デフレを解消できるとしていた。野田氏は、全国総動員による円高抑制を、焦眉の急であると強調した。アナリストによると、野田氏は首相就任後、手始めに円高問題に取り組むと見られる。バークレー銀行東京支店の山本雅文チーフFXストラテジストは、野田氏の首相就任後、為替市場に対する政策に大きな変化が生じることはないと指摘した。しかし民主党、自民党、公明党が連立を組めば、状況は大きく異なってくるだろう。
退陣を控える菅直人首相も29日、外国為替市場における円高傾向に懸念を表明し、過度の投機を控え、人為的に円価格を吊り上げないよう警告した。