米中間の貿易不均衡について、米産業界および米メディアは、この度の法案の提案理由は、見当はずれな言いがかりだとしている。この10年における米国の対中貿易額の伸びは、468%増と凄まじく、その他の国に対する貿易額を圧倒している。「戦争」という表現が相応しいほどの米中貿易の葛藤は、これまで順調に伸びてきた貿易額に多大な影響をおよぼし得る。
当然ながら、二国間の貿易摩擦による米国が受けるダメージはこれだけに止まらない。貿易促進団体「Club for Growth」のChris Chocola会長は「この法案に伴う課税は、米国の消費者やビジネス界にとって受け入れがたいものである。国民の生活水準はより厳しさを増し、米経済が低迷から抜け出させなくなってしまう」と指摘している。
米中経済の相互依存や世界経済における重要性を考えると、貿易摩擦による二国間の葛藤がおよぼす影響はこの二国の経済だけでなく、世界経済をも衰退リスクにさらすことになる。英誌「ファイナンシャル・タイムズ」掲載記事によると、人民元切り上げ促進のためのこの度の法案は、米中貿易の新たな紛争をまねくものである。世界の貿易体系の将来を案じる良識人らの批判を浴びて当然なのである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月10日