中国税関総署が13日発表した9月の統計によると、輸出は前年同月比17.1%増の1696億7300万ドル、8月と比べ伸び率は7.4%ダウンし、輸出額は36億5000万ドル減少した。専門家は、国際需要の鈍化や国内のコスト上昇などの影響を受けており、中国の輸出は今後楽観視できない状況となっているとの見方を示した。
税関総署の魯培軍副署長は記者会見で、「現在、世界経済の成長率は著しく鈍化している。ヨーロッパ、アメリカ、日本など3大経済体で債務問題が深刻となり、失業率も高く、消費者マインドも低下している。また、日本の大地震もいまだ経済に不利な影響を与えている。インドやブラジルなど新興国市場もインフレ圧力の高まりによって、経済成長が停滞気味となっている」と指摘した上で、「これらの要因は貿易の安定した成長を妨げる深刻な要因となるだろう」との見方を示した。
現在、欧米諸国による貿易保護主義の強まりにより、国際市場環境は複雑になっており、中国の輸出もその影響をうけるとみられている。そのほか、人民元レートの変動が大きことで、中小企業の経営も困難度を増し、中国の貿易成長の余地が狭まりつつある。