欧米の債務危機に目を向けると、主権債務危機の問題を解決するために欧米諸国が財政緊縮政策をとることによって、中国経済を刺激する度合いが弱まることが考えられる。
国際通貨基金の直近の予測によると、今年と来年の世界経済の成長率はともに4.0%であり、6月時点の予測よりもそれぞれ0.3ポイントと0.5ポイント下落している。これは外部市場の需要増加が鈍るだろうことを意味する。欧州も米国も中国の鋼材輸出相手国であるから、輸出が債務危機の影響を間接的に受けることは避けられないが、鋼材輸出は大幅な回復を見込めない性質があるため、鋼材輸出を通して国内市場の供給圧力を軽減することには期待できない。つまり生産能力は主に国内市場で消化されることになる。
中国鉄鋼業界が健全に発展していくことを目指すなら、目下直面している次のような問題を早急に解決しなければならないと劉衛民氏は見ている。