東日本大震災とそれに伴う災害は日本経済に大きな打撃を与え、日本経済は一時苦境に陥った。しかし、震災後の復興作業の本格化と日本企業のたゆまぬ努力によって、第2四半期に回復の兆しが現れ、経済界では日本が「震災後景気」を迎えるとの見方もある。
日本政府は財政予算を3回にわたって増やし、数十兆円の資金を震災後の再建に充てた。財政資金は内需の急速な回復を促し、鉄鋼、建築材料、化学工業、機械、土木建築などの復興と関連のある業種で注文が大幅に増加し、その他の業種の苦境からの脱出も後押しした。そのほか、震災で断たれたサプライチェーンは企業の努力によって急速に回復。日本経済を引っ張る自動車産業も急速に活気を取り戻し、8月の生産台数は前年同期を上回った。トヨタ自動車の8月の生産台数は、震災前の1万2000台を超える1万4000台に達した。
しかし、9月になり、日本経済は黒い雲に覆われ、状況はたちまち暗くなっていった。まず、旺盛だった需要が萎縮し、一部の業界で生産量が減少し始めた。震災後の再建は需要をもたらしているが、その見通しは明るくない。次に、消費市場がまだ開かれておらず、政府による増税のニュースが何度も伝えられたことで、消費者は様子を見ている状態だ。さらに、海外の需要が大幅に縮小し、欧米市場における日本の商品の需要が低下、アジアの一部の国・地域の経済調整も日本の輸出に影響している。