中国国家統計局は9日、10月のCPI(消費者物価指数)の伸びは前年同期比5.5%上昇となり、9月の6.1%から大幅に鈍化したと発表した。これによりCPIは3ヶ月連続の下落。特に、今回のインフレの主要因となった食品価格は前月比で今年6月以来4か月ぶりのマイナスとなった。市場では年内は物価の下落が続くとの見方が強まっており、中央銀行が預金準備率を引き下げる可能性も高まった。
中国銀行戦略発展部の周景彤チーフエコノミストは、「物価の動向をみると、7月のCPIの伸びは6.5%、8月が6.2%、9月が6.1%、10月が5.5%と下落を続けている。緊縮政策の効果が今後も続き、タイムラグ効果が弱まるか無くなるとすれば、今後数か月は物価の伸びは下落を続けるだろう」との見方を示した。インフレ抑制に関しては、「CPIの伸びは7月の6.5%をピークに下落した。今回の物価上昇のピークが明らかになったということで、今後数か月はインフレ抑制が緩和される」と述べた。