欧州債務問題が日々深刻化し、投資家は伝統的な手法に回帰し、米国債や金などリスクの少ない資産を買うようになった。欧州債務危機は今後中国経済にどのような影響を与えるのか?そして、どのような対策を講じて解決すべきか?世界各地の専門家への取材で中国経済が直面する3つの課題がみえてきた。
課題1:輸出、GDPともに鈍化
中国農業銀行のレポートによると、欧州債務危機はユーロの下落を招き、ユーロの下落は中国の外貨準備に損失を与えるという。
レポートによれば、EUは現在、中国最大の輸出市場であり、欧州債務危機によりヨーロッパ経済がさらに低迷すれば、中国の対ヨーロッパ輸出に深刻な影響がでる。また、債務危機でユーロ圏の経済がさらに悪化した場合、中国は間違いなくユーロ圏諸国の保護貿易対象となる。
中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長は、「現段階における中国の潜在成長率は8%から9%の間にある。来年、経済がどれほど鈍化するかは予測できないが、中国のGDP(国内総生産)は今後数年で2桁成長を達成できなくなる」との見方を示した。