中国の環境保護対策はますます多様化している。先日、記者が江蘇省や河北省などを取材した際、「グリーン融資」が企業に環境意識を向上させる上で重要なツールとなっており、環境保全のための好循環が生まれていることを知った。
「環境対策に対する信用」を企業に定着させる
「この数日、ろくに眠ることもできない」南通市にある亜聯績染整有限公司の会長、官其順氏は頭を抱える。「500万元の融資が取り消された。汚水処理費も4か月間20万元のペナルティだ。利益は半減。これじゃ倒産してしまう」と後悔している。
もともとこの企業は基準以上の汚水を廃棄していた。そのため、企業の環境対策に対する信用にレッドカードが下されたのである。同社は江蘇省の環境保全庁と地元の銀行監査機関が作ったシステム「グリーン融資情報」で公表され、銀行融資を停止されたのだ。
南通では、環境対策に対する信用は費用徴収額とも連動しており、環境に対する信用のない企業には汚水処理費が高額になる仕組みである。生産を再開させるために官其順氏は、200万元の資金を集めて工場を改造、自ら環境部門を呼んで検査を受けた。合格すれば環境対策に対する信用は復活することだろう。