南通市の環境監察支隊の政治委員、陸天静氏は述懐する。「これは単純な罰金よりも威力を発揮しています。企業の従来の発想は『遵法によるコストは高い、違法によるコストは低い』でしたが、その意識を変えるものなのです。経済的手段を使って、汚染を垂れ流す企業の首根っこを押さえたわけです」。そしてグリーン融資は、環境を重視する企業にメリットも与えている。
紡績を主な業務とする「常州老三グループ」は5,600万元を投じて設備を導入した。この設備は酸素消費量を156トン、二酸化硫黄を24トン減少させるものである。それにより同社の環境信用レベルはブルーからグリーンに昇格し、銀行の融資額も40%アップして4.2億元となった。同社会長の姚幼卿氏は言う。「人から融資を受けるのは難しいが、銀行は我々にグリーンのランプを付けてくれた。行政の奨励より融資援助のほうがありがたい」。
環境対策企業に、より多くの銀行融資を
グリーン融資は、国家が2007年から取り組んでいる環境保全経済政策である。その要求に基づき、環境保全と金融監査部門が企業の環境保全に対する信用情報に関する共有システムを作り、融資の根拠としている。