株式市場における時価総額の変化をみると、株式の数量は2倍しか増えていないのに、時価総額は約5倍に膨らんでいる。不動産、自動車、非鉄金属といった影響力の大きい株式(権重股)の時価総額も大きく変化しており、銀行株は約54倍、石油化学株は約88倍、それぞれ上昇した。銀行・石油化学株の時価総額が株式市場全体の時価総額に占める割合は、01年6月14日の2.97%から11年12月13日は38.08%に増大した。銀行・石油化学株は名実ともに「重い」銘柄となっている。
新規株式発行(IPO)時の調達金額をみると、01年6月14日までの10年間の調達金額は約2949億8400万元、同日から10年間の調達金額は1兆7685億4400万元で、前の10年間の約6倍に達した。ここから最近の株式市場の資金調達重視の傾向が如実にうかがえる。
Wind金融データバンクがまとめたデータによると、01年6月から11年10月までの株式市場での取引高は累計242兆1262億5900万元に上った。現在の証券産業における手数料の平均的割合の1万分の8で計算すると、これまでに投資家は3874億200万元の手数料を支払ったことになる。また国に5388億9100万元の印紙税を納めたことになる。この間の配当額は7500億6700万元を超えない。投資家が市場から得る配当リターンは、基本的に取引に必要な経費を相殺する程度にとどまるということだ。