カナダは12日、「京都議定書」からの脱退を正式に表明し、温暖化対策を話し合う国連会議、COP17で得られた成果に冷や水を浴びせた。カナダは世界で最も豊かで、1人当りに占める天然資源が最も多い国の一つ。ここ数年で、温室効果ガス削減目標を達成できなかった罰金が140億カナダドルに達したことが理由で、カナダは世界にどんな模範を示すかなどまったく気に留めていない。
温室効果ガス削減問題において世界に模範を示せる西側諸国は多くはない。米国は「京都議定書」に加盟すらしていない。先進国は世界全体の温室効果ガス削減目標が世界の気候を救うと呼びかけているが、実際には本国の利益を守ることを優先し、口では公益至上を唱えながら、その行動は自国本位で驚くべき「相互不干渉」を行っている。
気候変動に関する国際協力が成功するかは、国際関係が野蛮から脱却し、全人類の利益が国家の私利を超越できるかにかかっている。カナダの裏切りは、国家行為に対する人類の道徳的拘束力がここ数年、進歩するどころか、退歩していることを示した。