1.欧州債務危機の悪化 ユーロが存続の危機に
2011年、欧州債務危機がにわかに悪化。世界の経済と金融市場に影響を及ぼす大事件となった。2年前のソブリン危機では一部の国が財政破綻に陥りかけただけだったのに対し、今年の欧州債務危機はヨーロッパ全体を直撃、ユーロの存続をも揺るがす大問題となった。
2.アメリカ国債の格下げ
オバマ政権は8月2日、債務上限を少なくとも2.1兆ドル引き上げ、さらに、10年以内に少なくとも2兆ドル規模の財政赤字削減を実施すると発表した。しかし、赤字削減規模が米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が予想していた4兆ドルを大幅に下回ったため、S&Pはアメリカ国債の格付けを「AAA」から「AA+」に格下げした。アメリカ国債が「AAA」から落ちたは史上初のことである。