【新華社北京1月26日】米国のオバマ大統領は24日夜(日本時間25日午前)、一般教書演説を行い、自国経済の「基礎となる事業を永続的に栄え」させるため、米国は製造業を再び盛んにする必要があると強調するとともに、租税政策を見直して、企業家が製造業の職場を再び米国に戻すことを奨励すると表明した。
同じことは他にもある。日本の財務省が発表した最新の統計によれば、日本では昨年、1963年以降初めての貿易赤字が出現した。昨年赤字となった原因の一部は地震や津波などの臨時的要因によるものだが、長期的に見るなら、産業移転のもたらした製造業の空洞化が日本に貿易赤字を出現させたすう勢的要因であると言える。このため、日本政府は必ずや措置を打ち出し、製造業流失の局面打開に力を注ぐことになろう。
この二つのニュースは次の一つの重要なメッセージを伝えている。21世紀の最初の10年間は、先進国が(国内の)工業化を減速し、産業をシフトさせた黄金期である。しかし、このプロセスは逆転する可能性があり、今後の10年は先進国が再び工業化を図り、製造業を奪い返す10年となるかもしれない。
産業移転とはグローバル化に伴い、世界の経済資源をより合理的に配置した結果であり、先進国も発展途上国もそこから利益を得ていることは否定できない。しかし同時にまた、製造業の移転が先進国に与える「副作用」も次第に顕著となり、特に失業率の上昇、貧富の格差拡大などが、経済・社会問題として現れている。製造業から離れるなら、先進経済体(国)は失業率を効果的に引き下げることができず、これはサブプライムローン危機(リーマン・ショック)以降の国際社会における共通認識となっている。