福島住民は明るく前向きに生活している。
震災被災地では、亡くなった人に捧げる花や飲み物が道端に置かれている。
東日本大震災の発生から、まもなく1年になろうとしている。震災後の日本は、実際どうなっているのだろうか。私たち記者は先ごろ、再び震災の被災地を訪れた。被災地は困難から立ち直ろうとしていた。がれきや廃墟はかなり片づけられ、港でも漁が徐々に始まっている。工場では基本的に生産が再開され、学校や役所も正常を取り戻しつつある。そのため日本政府は、日本が復興していることを世界に表明した。
東京
少なくなった中国語買い物ガイド
東京の繁華街にあるデパートでは、かつて中国語を話す買い物ガイドがいたものだった。しかしその後、経済の低迷に加え、地震や津波、放射能により、日本を訪れる中国人観光客が減少した。銀座で高級品を買い込む中国人もいなくなった。ガイドに取って代わったのは、家電量販店などで放送される中国語の録音だ。中国語ガイドは辞めさせられてしまったのだ。
日本は公共の交通機関が発達している。東京から大阪間の電車は十数分おきにやって来る。市内は地下鉄やバスも完璧で、値段も高くない。最も高いのはタクシーだ。日本ではタクシー待ちで困ることがない。しかし値段が高い。約20分の路程で200元近くかかるのだ。日本に留学しているある中国人学生は、昼間授業に出て夜仕事をする。もし終電バスに乗り遅れたら、たとえ1時間かかっても、家まで歩いて帰る。タクシーで帰ろうとは思わないのだ。電車の駅出口には大量の空席タクシーが停まっている。一方、バス停には多くの人が、バスが来るのを静かに待っていた。
岩手県
燃え続ける「不滅の法灯」
岩手県には世界遺産、中尊寺がある。やや不公平な気がしないでもないが、この寺院は震災後の2011年6月25日に世界自然文化遺産に登録された。中尊寺は中国から伝来した仏教、天台宗である。蔵経閣には、金字と銀字で書かれた「中尊寺経」や、中国から伝わった「宋版一切経」がある。この経典を得るために、当時1.3キロの砂金(現在の20億円相当)を要したと言われる。
中尊寺本堂には「不滅の法灯」が現在に至るまで1200年間灯され続けられている。また国宝「金色堂」もある。金色堂と呼ばれるのは、すべての建築が金で造られているためである。保護やのため、古来より外側に建物が建てられている。金色堂の仏像の下にある蓮の花は、夏の決まった時期に咲く。この種は800年前の仏殿にあった蓮の花から採ったものだという。
野田総理大臣が昨年10月の施政演説で述べた「度重なる災害に遭っても、我々の先人たちは前を向いてきました。希望の種を蒔き、しっかり育ててきました。今回の震災も例外ではありません」という言葉を思い出す。